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マリアに惚れたら
杉下右京の差し金にまんまとやられるって訳だ。
まあいいか。
可愛い顔して。
「きゃっ!!すみません。私のほうが遅く起きるなんて」
メイドの自覚はあるらしく。
俺が焼いたトーストに、アプリコットのジャムを塗りながら、マリアは微笑んだ。
「メイドらしくないですね、私」
マリアはアナスイの服を着なおしている。
それしか洋服を持ってなかったらしかった。
「マリア」
「はい、春樹さま」
「洋服を買って来い。自分に似合うやつだ。金に糸目は付けない。好きなものを選んでくるといい。ハイヤーを呼んでるから、それで、新宿まで行ってこい。ソニアリキエルあたりが似合うんじゃないか!?」
「春樹さまは、アナスイの服だけでは容赦してくれないんですね」
「これから毎日、顔突き合わせるんだ。ワードローブは多いほうがいいだろう」
「では、アナスイでまた一着と、それから、春樹さまの薦めてくれたソニアリキエルで一着~」
「もっと買っていい。100着ぐらい買ってしまえ。デパートごと買ってあげられなくて不満だが」
「まあ!!」
マリアは喜ぶ。そうだよな。このくらいの年齢は、お洒落が一番だ。
「それから、ネイルカラーや、リップカラーも買ってくるといい。シャネルで全て買うつもりで」
「お金は」
「このカードで全て払えるから。やっぱり俺も一緒についていこう。マリアがとんでもない服や化粧品を買っているといけないからな。ハイヤーで出よう」
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