第2章 春樹の想い

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マリアに惚れたら 杉下右京の差し金にまんまとやられるって訳だ。 まあいいか。 可愛い顔して。 「きゃっ!!すみません。私のほうが遅く起きるなんて」 メイドの自覚はあるらしく。 俺が焼いたトーストに、アプリコットのジャムを塗りながら、マリアは微笑んだ。 「メイドらしくないですね、私」 マリアはアナスイの服を着なおしている。 それしか洋服を持ってなかったらしかった。 「マリア」 「はい、春樹さま」 「洋服を買って来い。自分に似合うやつだ。金に糸目は付けない。好きなものを選んでくるといい。ハイヤーを呼んでるから、それで、新宿まで行ってこい。ソニアリキエルあたりが似合うんじゃないか!?」 「春樹さまは、アナスイの服だけでは容赦してくれないんですね」 「これから毎日、顔突き合わせるんだ。ワードローブは多いほうがいいだろう」 「では、アナスイでまた一着と、それから、春樹さまの薦めてくれたソニアリキエルで一着~」 「もっと買っていい。100着ぐらい買ってしまえ。デパートごと買ってあげられなくて不満だが」 「まあ!!」 マリアは喜ぶ。そうだよな。このくらいの年齢は、お洒落が一番だ。 「それから、ネイルカラーや、リップカラーも買ってくるといい。シャネルで全て買うつもりで」 「お金は」 「このカードで全て払えるから。やっぱり俺も一緒についていこう。マリアがとんでもない服や化粧品を買っているといけないからな。ハイヤーで出よう」
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