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「早く、早く終わらせよう…」
激しく息を切らしながら、青年は森の中を走っていた。
足元は先日の雨の影響なのだろうか、軟かくなっており、青年の行く手を阻む。
ようやく見つけた岩陰に身を隠し、必死に息を整えようと努力する。
膝は震え、大量の汗を額から流している。
黒く光る拳銃を両手で強く握りしめながら、背後から自分に向かってくる足音に銃口を向ける。
自分を追いかけてくる人物に恐怖を抱く。
拳銃の引き金を静かに引く。
銃口を再び追っ手に向けるが、つい際程まで自分の視界の範疇にいた自分を見失ってしまった。
青年は慌てて、辺りを見渡した。
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