最終章 前編

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――――――「撃つ覚悟が持てないのか」 背後から突然声が聞こえた。 青年は驚いた声を出し、腰を抜かす。 威圧的な態度で青年の前に立つのは、白髪混じりの長髪の老人。 身長も高く、体格もいい。 冷酷な瞳で青年を見つめながら老人は、 「さぁ、出世したいなら…その引き金を強く引け!」 青年は再び銃口を老人に向ける。 緊張と恐怖心から、手は震え、奥歯は揺れる。 呼吸を整え、強く握りしめた拳銃を、更に強く握る。 「どうした、早く引かぬか…こんな事で躊躇っていると…生存競争である、社会で生き残れるハズがないだろう」 老人はそう諭す。
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