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青の章
私が、小学校三年生の秋。
突然、お母さんが入院した。
それからは、学校から帰ると毎日お父さんとお見舞いに。
でも、お母さんは日増しに苦しそうで、かなり痩せてきている。
お見舞いに行く私が、一番辛い。
「お母さん、早く元気になってね!」
「お母さん帰ったら、いっぱい話そうね」
お母さんは、痩せ細った手で私の頭を撫で
「葵は、良い子だもんね」
「お母さんの、一番の自慢なんだから」
「だから、お父さんの言う事はちゃんと聞くんですよ」
それから、1週間後。
お昼休みに突然、先生がやって来て。
「栗原さん、お母さんが大変なんだって」
「今、お父さんが学校に迎えに来るから、直ぐに帰る準備して」
お母さんに何があったのか?
物凄く嫌な予感しかしない。
「先生、お母さんがどうかしたの?」
「お母さん、元気だよね」
先生は、私の顔を見て
「大丈夫よ」
「もうすぐ、お父さんが来てくれるから」
それから、暫くしてお父さんが、小学校にやって来た。
「葵、直ぐにお母さんに会いに行くぞ」
お父さんは、私の手をぎゅっと握りしめたが、凄く震えている。
お母さんに、何かあったんだ!
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