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やはり家でも居場所は無かった。両親は相も変わらず私に虐待をし続ける。こんないひどい目にあうのであれば見知らぬ男にレイプされたほうがマシだろう。
流石の私でも限界だった。そろそろ私の中にある辛いという思いが「起こしてはならない」という良心(おもい)を越えかけあることを行おうとしている。
「いつまでたってもあんたは成長しないんだから!」
母親が私の頬をはりながら、いつものように大声で怒鳴り散らす。好きだねえ虐待。昨今の親というのは虐待しかやることないのかね? ていうか成長してないのはあんた方の精神っしょ。そろそろ私の精神(こころ)は壊れるんですけど……。
怒鳴りながら母親が私を蹴り飛ばす。痛い。限界だった。今まで保っていた精神(もの)が崩れ始める。
そして爆発した。
ふいに私は立ち上がった。
「何やってんのあんた?」
母が苛立たしげに私に言う。
ふらふらと立ち上がりながら私は母のもとに足を進めた。
「何してんの?」
母が訝しげに問うてくる。
「止まりなさい」
母から制止の声が聞こえてくるが無視する。
「止まれっつってんだろうがクソガキ!」
母が絶叫する。私は小走りで母のもとに突き進んでいく。
「!?」
目を血走らせながら近づいてくる娘を見て母が驚きの表情を浮かべる。勢いよくスピードをあげて母のもとに突進していく。そして自らの手を母の首に手をかけ締め上げる。その時私は自分のやっている行動の善悪を考える余裕もなく、夢中で母の首を締め上げた。気がつくと母は絶命していた。
「……ふふふ」
青い痣を首元に残して白目を向いている魂のない体を眺めながら私は気味の悪い微笑を浮かべた。
「ふふふははははぁーーーーー」
最高に気分がいい!
この時私は物事を考える余裕なんてなかった。長い間私を苦しめていた人間が一人いなくなったのだ。気分が悪いわけがないのだ。
「ふひひひひ」
再び気味の悪い笑みを浮かべた。そして私は台所へいき、もう一人私を虐げてきた者に天誅を下すべく包丁を用意した。
しばらくすると玄関からガチャガチャと物音がしてきた。私は音がした方向に包丁を持ったまま向かう。父は玄関で靴を脱いでいる途中だった。
「お帰りなさいお父様」
満面の笑みを浮かべて父を出迎える。勿論作り笑顔だ。
普段の様子と違う私の態度に不信感を抱いた父は、
「何のつもりだ気色悪い」
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