ストーリー ストーリー

10/216
前へ
/216ページ
次へ
「いいんですか、 混んでいて長引いたら、 ここへ戻って来ても、 自分のジャンプの時間、 ないかもしれませんよ。 今日みたいに天気のいい日、 飛びたいでしょ」  「いや、 大丈夫、 明日もあるから」  「うへ、 明日も?」  「うへってことないでしょ。 フツーでしょ」 「フツー、 フツーなの? 普通は、 仕事だってしてるしー。 休みだからって、 連日ってのは“フツー”無理だけど」 「ん、 でもさ、 今、 季節的に一番いい時期なんだよね。 今やらなきゃもったいないよ、 本当は会社休んででも来たいぐらいだけれど、 ま、 それはちょっとね」  「え、 八木ちゃん、 会社員なの?」  「そうですよ。 なにか不満でも?」  「いややや。 驚いてるだけ。 インストラクターが仕事なのかと思った」  「そりゃ、 無理でしょ。 生活あるし」  「でも、 新しい人教えたりしていたから、 てっきり」  「まあ、 頼まれれば面倒見るけれど。 ただそれだけ」  「頼まれれば、 か。 怪我人の手当てとか、 病院手配も頼まれれば?」  「はい、 はい、 頼まれればなんでも、 俺、 人がいいから、 ははは」  彼は、 軽く笑いながら言った  「うん、 ホント。 いい人っぽい」  「スポット、 風を読めてなかったかな、 俺」  彼は、 運転しながら、
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加