不思議職安

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 「なんで在学中に就職相談が出来なかったかと言うと、私の通ってた高校は結構有名な私立の進学校で進学以外のサポート体制が無くって、しかも在学中に就職活動の許可がおりなくってそれで卒業式が終わった今日しか行動に移せなかったんです……一応、卒業証書もって来ました」  鳴海は、筒の中から卒業証書を取り出しカウンターに置いた。  金城町子は、それを首から下げた分厚い老眼鏡でちらりと見たがすぐに鳴海のほうに視線を移すと。  大きくため息をつき、先ほどとは違ったぴしゃりとした口調で言った。  「残念だけど、あなたに仕事を紹介することはできないわ」
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