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と、子供心に悪態をついたものだ。
丁度その頃、妹が生まれた。
海里と名づけられた妹を、酔っ払っては暴力を振るう父が帰ってくると抱いて逃げるのが鳴海の務めとなった。
続いて弟の和海、末妹の優海が生まれると、役割分担をうまく組み効率よく避難したものだ。
こんな環境に育ったせいだろうか?
物の見方が同級生とは違ってしまった鳴海は、かなり変わり物とみなされ友達が少なく年の離れた弟妹達が唯一のよりどころになっていた。
月日が流れるにつれ父の暴力、罵倒は激しさを増した。
そして中学2年の頃、目つきが悪いと言う理由で髪をつかまれ部屋中引きずり回される小2の海里を救うことが出来ず、恐怖に怯え立ち尽くす事しか出来なかった自分を責めた。
___力が欲しい! こいつを倒せるほどの力が!___
鳴海は、足が遅いとの理由で戦力外通告を受けていたソフトボール部を辞め柔道部に入部した。
父は、思ったより喧嘩が弱い部類だったらしく柔道を始めて2ヶ月ほどでいとも簡単に力は上回ったがいざ殺そうと思うと弟妹達の将来が心配になり結局実行には移さなかったのだ。
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