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『ぁあああAAAA!!』
爆発、夜の工場が煌々と燃え上がる。
その中心には、熊と人間を足したような異形の怪物…『エネミー』。
「ちっ…!強い!!」燃え上がる工場を駆け抜ける幾つかの陰、
それぞれドレスやらチャイナ服やら…個性的な格好をした少女達だった。
「集うは拷酷の灯…『ファラリウス・レイ』!!」
赤髪の少女がすれ違いざまに呪文を詠唱し、怪物に赤色の光を放つ。
――完全に怪物の死角をついた、避けられない!!
私の魔法なら、あのレベルのエネミー…
「え」
それがその少女の最期の言葉だった。
放った魔法『ファラリウス・レイ』が怪物の表皮で反射し、放った本人である少女を焼き尽くす。
「…ミナミ!!」
思わず、私は悲哀の叫びをあげた。
魔法反射っ!?
学校ではミナミはトップの魔法少女だった。常勝無敗の、歴代でも類を見ない逸材…その娘が、
一瞬で、燃え盛る肉片に姿を変えた。
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