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コレが…エネミー!!コレが…実戦!?
悲鳴に反応した怪物が、私にゆっくり迫る。逃げろ、ダメ、敵を、カタキを、無理、死ぬ、嫌…嫌嫌嫌嫌嫌ぁあ!!死にたくない!!なのに…!
…立てない…立てないよぉ…!
喉が掠れて、声が出ない。腰が抜けて、力が入らない。
死が、迫ってくる。
「アヤカ!!逃げて!!」
仲間の少女が、遠くから悲痛な声を上げる。でも、無理だ…ごめんね…ナギちゃん…私…
死
「『ラボラス・ブレード』」
声は、真上から降ってきた。
セーラー服の、絆創膏だらけの少女が右手のカッターナイフを一閃する。
瞬間、カッターナイフの刃が二メートル程に伸び、エネミーの右腕に赤い線を描いて…
エネミーの右腕が切断される。同時に、断面から、赤い血が噴水のごとく噴き出した。
『グ、ギャアぁあああAAAA!!』
悲鳴を上げて無茶苦茶に暴れ回…れない。
「煩い」
少女が何度も長刀カッターを振るう。その度にエネミーの肉体が削られ、血が噴き出す。
エネミーの返り血を浴びながら、助けてもらった私は……怯えていた。
エネミーにじゃない、あの少女にだ。
今だ怪物を刻み続ける少女…アレは…アレは戦いじゃない…一方的な虐殺……
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