プロローグ

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「ぅおわあぁー!?」 落下した衝動で、僕は思わずベッドから飛び起きた。 「はぁ…夢か」 またあの夢だ。確か、三月あたりだったかな?そのくらいの時から僕は、とある悪夢を見るようになった。 去年の暮れに行われた区画整理により、駅から学校へ直通の道が通ったことで、すっかり通行人の減った歩道橋の上…氷細工みたいにきれいで冷たい満月…そして、僕を殺す同級生-- こうも毎度毎度同じ内容だと、夢だと分かっててもさすがに気味が悪い。だけど僕は、何故か彼女に対して嫌悪感を覚えることは一度も無かった。 どうしてだろう。やっぱり、あの時…駄目だ。この夢は起きるといつも直ぐ忘れてしまう。もう何回も観たはずなのに… 時計の短針は7と8の中間を差してる。もう一度寝たら続きが見れるかな…ん?7時半… 「やっば!これ完全に遅刻寸前だ!?」
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