LAST STAGE 天使の様な俺様悪魔

6/9
前へ
/233ページ
次へ
翔真に思い切って話して良かったな。 結婚もまだしていないのに、気が早いって思われるかもしれないけど……… 実は私は昔からママになりたかったんだ。 うちの両親は共稼ぎだっから一人っ子の私はいつも一人で居ることが多かった。 そこそこ大きくなってからはご飯も一人で食べることも……。 もちろん、両親には大切に育てて貰ったけど、やっぱりちょっと寂しかった。 友達がお姉ちゃんとおやつの取り合いで喧嘩したとか、お兄ちゃんに泣かされたとか そんな兄弟喧嘩の話すらも羨ましかったんだ。 だから、いつか私も結婚したら早く赤ちゃんが欲しいなって。 たくさんの子供達に囲まれて賑やかな食卓にしたいって。 いつも笑ってるような家族を作りたいって。 そんな事をずっと思ってた。 もちろん、今すぐどうって事でもないし、二人の時間も大切にしたいと思っているけど 私がそんな風に考えてるんだって事を翔真に知ってて欲しかったんだ。 けれどーーーー デキる男、柊 翔真は何をやらせても仕事が早くて……… 仲直りしたあの日、例の子作り有休をもらってから三ヶ月後。 私達は晴れて結婚した。 桜川 有から 柊 有と言う随分と短めな省エネネームになった。 結婚式は私の体が安定期に入ったものの無理はさせたくないって翔真がいうので身内だけでささやかに式をあげたんだ。 もちろん来年の春、出産後ちゃんと披露宴を行う予定で……… って えっ、もうお腹にいるの? しかも計算合わなくない?    だよね? 子作り有休から三ヶ月しか経っていないのに……。 もう安定期だなんて。 結局、翔真の玄関先など場所を選ばない連日の猛攻撃がヒットしていたみたいで… 私の望みは随分と前倒しで叶えられる事となった。 「なぁ?玄関にちなんで、男なら玄太とかどう?」 「・・・・・・・・」 こんな人が父親になってホントにいいのだろうか? 私、早まったか? 不安と言う2文字が頭を一瞬過る…
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2973人が本棚に入れています
本棚に追加