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この国の気候の不安定さにもだいぶ慣れた。
今では雨が降っても、慌てて傘を買ったり店に飛び込んだりはしない。どうせすぐに止むのだし、多少濡れても歩いているうちに乾くのだからと思えるようになれば、たぶんこの地に根を生やせるようになった証だ。
そんな僕でも小さな頃は雨の日は特別だった。お気に入りの長靴と黄色のレインコートで、水たまりにパシャパシャ飛び込んだりした。
雨粒がリズム良く傘を打つ音。土と水の香り。濡れた舗道を走る車の、タイヤが奏でる長い余韻。
すべてが新鮮で、傘越しに振り返るといつもそこには母の笑顔があった。いちいち大げさに反応する僕のことを優しげに見守ってくれていた。
そうだ。そんな連想をした矢先だったものだから、余計にこの手紙が特別な感じがして心に留まったのだ。
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