Or, Argent

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 ブラスラビングとは、簡単に言えば拓本採りのことだ。  教会に安置されている墓像(モニュメンタル・エフィジー)は故人の生前の姿を再現して造られている。 服装や持ち物など当時の流行や伝統の推移などが凝縮したそれを、研究資料として歴史家や風土研究家が採集したのが始まりだ。  誰もが一度はやったことがあるだろう。硬貨の上に紙を被せて鉛筆でこすると模様が浮き出る。 あれと同じで、墓像や彫板などの上にラシャ紙を被せて、上から専用のワックスで擦りあげる。そうすると立体的なアンティーク画の出来上がりというわけだ。
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