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そこには、月明かりではっきりわからないが、何か落ちている……。
黒っぽく染まった、ボロボロの服の隙間から白い棒状の何か……
「ほ……骨?!」
これは、人間の死体……!僕はすぐに顔を背けた。
空を見ると、雲の流れが速くなり、月の光が無くなって、あめがふりはじめた。
風が強いからか、森の木々はひしめき合う。
枝がしなって、木がこすり合い、ひしめく様な音が、獣の鳴き声の様に聞こえてくる。
「獣か何かにやられたんだろう……きっとな……」
さっきから聞こえてるんだよ……鳴き声がな……」
聞こえている?
そうか、さっきから聞こえてるのは、枝がひしめく音じゃなかったのか!
だんだんはっきりと聞こえてきた……
地のそこから唸るような鳴き声……
そして、一段と大きい不気味な鳴き声が、辺りに響き渡った……
「あれだ……あいつらに、はらわたを食いちぎられるんだ……」
「感じたことの無い恐怖と痛みを感じながらな……」
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