第1話

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獣に!お腹を食いちぎられる?!そんなことになってたまるか! 「嫌だ!そんなの絶対に嫌だ!」 僕は必死にもがいた!手足がちぎれても、命だけは助かりたい! そう思って、僕は必死でもがき続けた。 しかし……ロープは全く緩む気配がなかった。 おじさんの方も腕を必死で動かす。 ……すると……… 「手首が緩んだ!なんとかなるぞ!」 また、一段と大きい、不気味な鳴き声が、今度は、すぐ後ろで聞こえた! おじさんの方が外れるなら、僕の方も緩むかもしれない! さらにもがいて、暴れまくった。 「おい、すぐ近くにいるぞ!姿が見えないのはなぜだ!?」 手首は擦り切れたが、そんなことかまっちゃいられない。 でも、振り返っても壁しか見えない……。 いや……何か変だぞ!僕は、振り返ったまま、壁を見ていた。 すると、次第に城壁の表面が盛り上がり、その形が現れた。 四つん這いで壁に貼り付く、大トカゲのようなシルエットが浮かび上がった。 「外れた!」 おじさんのロープが外れ、緩んだ表情で両手を見ていた。
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