5人が本棚に入れています
本棚に追加
獣に!お腹を食いちぎられる?!そんなことになってたまるか!
「嫌だ!そんなの絶対に嫌だ!」
僕は必死にもがいた!手足がちぎれても、命だけは助かりたい!
そう思って、僕は必死でもがき続けた。
しかし……ロープは全く緩む気配がなかった。
おじさんの方も腕を必死で動かす。
……すると………
「手首が緩んだ!なんとかなるぞ!」
また、一段と大きい、不気味な鳴き声が、今度は、すぐ後ろで聞こえた!
おじさんの方が外れるなら、僕の方も緩むかもしれない!
さらにもがいて、暴れまくった。
「おい、すぐ近くにいるぞ!姿が見えないのはなぜだ!?」
手首は擦り切れたが、そんなことかまっちゃいられない。
でも、振り返っても壁しか見えない……。
いや……何か変だぞ!僕は、振り返ったまま、壁を見ていた。
すると、次第に城壁の表面が盛り上がり、その形が現れた。
四つん這いで壁に貼り付く、大トカゲのようなシルエットが浮かび上がった。
「外れた!」
おじさんのロープが外れ、緩んだ表情で両手を見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!