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『お久しぶりです。
倉本さんにはいつもお世話になってます。
…倉本さんにはいつもノロケられてるんですよぉ。ね、ナナちゃん?』
奥さんのことを観察してたら、いきなり矢口先輩に振られたよ!
焦るぜ、先輩!
てかさぁ?いつもノロケられてたぁ?
奥さんの話なんて、聞いたことないじゃん!
あぁ!これって社交辞令?
大人って面倒くさいね?
『はじめまして。
三橋菜々子と言います。
倉本さんにはお世話になってます。』
私は大人の社交辞令に合わせてお辞儀をしたよ。
エラいでしょ?笑
『こちらこそ主人がお世話になっております。』
わぁ!なんか同じあいさつなのに大人って感じ!
しかも『主人が…』だって!
きゃー!
昼ドラみたい~!笑
倉本さんが主人とか、実感ないなぁー!
そうだ♪
『先日の歓迎会の時、送ってもらっちゃったんですぅ♪クスッ』
ちょっと意味ありそうな言い方で、お礼を言ってみた。
ん?
眉ひとつ動かさないよ。
私は主人を信頼してますって顔?
なんかオモシロクナイ!
女の子ひとりじゃ危ないからとか言ってる。
そうね。
今度から携帯で呼び出しちゃいますよぉ!
私はお得意スマイルを奥さんと先輩に向けたまま、頭の中で喋っちゃった。
『また今度、チエコ先輩の家に遊びに行かせてもらいますね。』
おいおい先輩!
遊びに行くの?
私も連れてってよー!
ダメって言われても行っちゃうもんね!
矢口先輩と勤務合わせておこうっと♪
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