ナナ・あたし

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無事に一次会が終わり、二次会には独身男女5人と既婚の倉本さんの6人でカラオケに行った。 ハッキリ言って、私の好みはいなかったな。 独身者の中にはね。 ただ一人の既婚参加者の倉本さんは、明るいし優しいし気が利くし大人だし、顔も私の好み♪ 先輩は仲がいいみたいで、よく話をしているから後で色々聞いてみようっと! 二次会の帰り、コーラと烏龍茶しか飲まなかった倉本さんが、私と先輩を送ってくれるというので、自慢の車で送ってもらった。 内装が凄い! ナナの好きなファーとかブラックライトとかいっぱい! ココナッツの香りもしていいね♪ 音楽はお腹の底に響いてきて、頭の中はラリってるみたいになるw 私も早く車の免許欲しいな。 そんなことを考えながら、倉本さんと矢口先輩の会話にも入らないでボーっとしてたら、先輩ちの近くに着いたらしく車が止まった。 先輩が下りるとき 『倉本さぁん。ナナちゃんを口説かないで下さいよぉ? 新婚のくせに私のことを口説こうとしたんだからぁ!』 と酔っ払った口調で先輩が倉本さんに釘を刺した。 私が先輩に手を振っていると 『矢口うるせーなぁ。』 と倉本さんは照れ笑いしながら車を発進させた。 私は先輩の言葉にドキドキしていた。 彼氏はいたけど三カ月前に別れちゃったから、ちょっと淋しいなって思っていた時期だったんだもん。 新しい職場に恋愛を期待していないとは言えなかったしね。 ヤバい! 倉本さんに口説かれたらどうする? ブラックライトと音楽とココナッツでラリった頭の中で、倉本さんの唇が浮かんできた。 なんかドキドキしてきたぁぁぁぁぁぁ! 私の心臓の音が倉本さんに聞こえてるかも! って、この音楽で聞こえるわけないか。
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