ナナ・きっかけ

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それで帰り、景色のいい場所があるとこまで車で行って、車を降りて見ていた時。 倉本さんが肩を抱いて 『キスしていい?』 って私の顔を覗きこんできた! 凄く顔が近くて、頭がボーっとしちゃった! きっと小さく頷いたんだと思う。 よく覚えてないんだ。 そして… チュッ 軽くキスしたあと、私をぎゅーって抱き締めてくれた。 私も倉本さんの腰に手を回してぎゅーってしたの。 倉本さんの匂いが、私の中でいっぱいになったよ。 『俺、ナナちゃんのこと、ずっと好きだった』 もう嬉しくて嬉しくて 『私も…』 って言ったら、私の顔を凄く優しく見つめて、またキス。 今度は舌を絡めた熱いキス。 唇を少し離して、一瞬見つめ合って又キス。 チュッチュッて唇を吸って、私の唇を舌で舐めたあと、ディープキス。 こんなキスしたことない…とろけるような甘いキス。 ずっとこのまま、時間が止まればいいのにって思った。 もぉー大好きッ! その時はね、チエコさんのことは思い出さなかった。 フツーのカップルだったもん。 抱き合ってキスして、見つめ合って又キスして。 倉本さんの手が、お尻を撫でたり背中を撫でてたら、なんだかエッチな気分になっちゃって。 私もお腹を倉本さんの大事な部分に強く押し付けちゃった。 でも、倉本さんが 『これ以上したら、ナナちゃんと離れられなくなっちゃう…』 って体を離したの。 その時に初めて、そうだ…結婚してるんだ、って思った。 でも、私は倉本さんとチエコさんの[夫婦]って場面をツーショットで見たことないから、実感がないって言うの? だから、 【倉本さんを好きになっちゃダメ】 って気持ちより、 【私を好きって言う倉本さんと、倉本さんを好きって思う私の気持ち】 の方が優先だった。 だって2人が好きなんだもん。 それだけで充分でしょ?
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