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それでまた砂浜に降りて、今度はカタリーノ!
ツトムの学生時代の話とか、私の子どもの頃の話をしたの。
親の話とかもね。
ツトムの家は美容室で、俺も美容師を目指したことあるからカットできるよだって。
その時ふと、奥さんはカットしてもらってるのかなって思ったら切なくなった。
ちょっと暗い顔したからツトムが気にして
『どうしたの?
俺、なんか変な話した?』
『ううん‥』
『じゃあどうしたの?
帰りたくなっちゃったの?』
ツトムにそう聞かれて
『帰りたくなんかない。
ただ‥奥さんの髪をカットしてるのかなって考えたら、哀しくなったの。』
自分でもビックリしたけど、そう言いながら涙がポロッてこぼれちゃった。
ツトムもビックリして、すぐに私を抱き締めて
『バカだな。
そんなことしてないよ。
俺が好きなのはナナだけって言ってるだろ?
ね?俺を信じて。
俺さ、信じてもらえるか分からないけど、ナナに逢って、ナナのこと好きになってから、チエコとキスもしてないんだよ。
頭の中がナナでいっぱいなんだから。
俺はナナの笑顔が大好き。
天使みたいだなって思った。
だから泣かないで。
俺はナナだけのものになるから。』
私はただただ泣いた。
思っていた以上に、ツトムを好きになっていた自分に泣いた。
そして…ツトムの愛が伝わってきて泣いたの。
ツトム、信じるよ。
私からキスしながら、ツトムの首に爪をたてた。
私のモノって証だよ。
それから…
『2人っきりになれる場所に行こう』
って言われて、車に戻ったの。
うん。
今日は覚悟してきたよ、ツトム。
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