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ツトムは水族館に行った日あたりから、かなり携帯を気にするようになりました。
そして、メールも頻繁に来ているようで、わたしが
『誰とメールしてるの?』
と聞くと
『小林』
と、車仲間の名前を言うのでした。
そして
『今度の週末、みんなで集まるんだって。
俺も行くけどいいよね?』
答えが決まっている聞き方。
『そう。
ショッピングに付き合ってもらおうと思ったのにな。』
そう私が答えると
『たまには実家のお母さんと行ってくれば?
喜ぶんじゃない?』
『そうね。』
そう答えるしかありませんでした。
夜寝るときも、私に背中を向けて携帯を握っています。
いつもなら私とくっついて寝るのに。
私が後ろからツトムの腰に手を当てると
『ごめんね。ちょっと疲れてるから寝かせて。』
そう言って軽くキスはしてくれましたが、背中を向けて寝てしまいました。
私は置いていかれた淋しい気分になり、ツトムと背中合わせで目を瞑りました。
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