雪の女王~ミザリー~

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雪の女王~ミザリー~

ワタシにミザリーはこういった。 真実の愛ってなんだっけ? ワタシはこう呟いた。 アナタの胸の奥にあるはず。 そう。 ミザリーの胸の奥には、ギルティーが住んでいる。 この言霊(コトバ)を、ギルティーには聞こえていまい。 けれど、もう時間の問題。 ミザリーは、世界各地を凍らせ始めた。 ワタシの力であるバランスを整える力を、縦横無尽に使っているけれど。 クラムボンが許すはずもなく、ワタシに発している。 オカアサン、ジブンヲイジメナイデ。 地球温暖化。 それはワタシが長い間に閉じ込められてきた力が、 ポツリポツリと綻びから溢れ、集まった我が分身(コ)。 先代の雪の女王が予め、 起こるだろう悲劇に置いておいた唯一の方法。 娘を思ってのココロ。 クラムボンは、ワタシの心(キモチ)を唯一知る存在。 だからこそ、カイというギルティーによく似た少年を助けるため、 ゲルダを運んだ。 それは、予め用意されていたこと。 ミザリーが起きた時、本来の姿に戻る。 ワタシの存在はもう、ミザリーのナカに留まる必要はない。 けれどもバランスを保つための力は、発揮できるよう。 手のひらサイズで留まれる。 カイとゲルダが立ち去り、ギルティーが消え。 雪の女王、ミザリーは泣き崩れていた。 泣いた涙がキラキラと輝き、ほんのりと温かみを帯びながらも。 新しい、わたしのカタチを作った。 ミザリーの望み、それは真実の愛。 ならば、ミザリー。 ワタシの力を思い出しなさい。 ワタシは、バランスを整えるコトができる。 悲しみだけを、残すことはなくなる。 さぁ、ミザリー。 願いなさい。
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