道案内な自然たち~シルフたち~

1/1
前へ
/10ページ
次へ

道案内な自然たち~シルフたち~

ワタシが存在する前に作った、世界に必須な存在は。 人間が自然と呼ぶ存在で。 自然の中には、アナタが護るモノとして存在する種族がいる。 ミザリーたちに少し近い存在であるけれど、 妖精たちは世界の全てにおいて存在し。 人間や動物たちと、とても仲がいい。 そして、なにより。 ワタシを不要としていた。 ワタシを作ったアナタと同じように作られていたコトは、 先代の雪の女王しかしらない。 悪魔ギルティーでさえも、 自分の欲望のままに、 記憶の錯綜で。 ワタシが与えられた理由を、忘れてしまった。 風の妖精は、わたしがゲルダといることを知ると、 悲しそうな視線を向けながらも、 自分の力の無さを嘆き、水の妖精に相談した。 結局、ワタシに怯えながらも、最後まで案内する役目を果たした。 一番困ったことは、途中の魔法使いが、 ゲルダの記憶を操作しようとしたけれど。 ワタシの存在に気づき、ワタシの目的をも見抜き。 ゲルダの意志を見守る、と最後の魔法を使うことはなかった。 ゲルダは最後まで、妖精にも動物たちにも。 魔法使いにまで、助けてもらい。 氷の城まで、たどり着くことができた。 ワタシの力は不要だったのか、と思ったが。 魔法使いはこう、告げた。 ゲルダを見守ることこそ、お前さんの本当の役目だろう。 それは、自然たちと同じはずだ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加