少年~カイ~

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少年~カイ~

ワタシは久しぶりにミザリーの暮らす城へと帰還した。 中にはすっかり変わってしまったカイが、 ミザリーの傍で眠りにつき始めている。 カイもワタシの破片を受け、自分の望みの本質を忘れてしまい。 自分が従うコトで、ゲルダを守ろうとしていた。 ゲルダ自身のコトは、一部分のみ、感じ。 そろそろ、カイの心が叫び始めていた。 温かみのあるあの子を、忘れるコトなんてできない。 これ以上あの子に、冬と雪の厳しさを感じさせたくない。 それができるのであれば、俺はどうなったっていい。 ワタシに分かることは、 ゲルダもカイも、お互いの幸せだけを考えている。 悲しいかな、それはギルティとミザリーの悲劇に重なり。 ゲルダが、ミザリーに銃を向けることになってしまった。 カイは間違ったワタシの力を拒否して、 本当に欲しいと思うワタシの力を。 ゲルダの空気を感じるコトで、手に入れる。 それは、やはり。 ゲルダが会えない間に、 カイの事をどれだけ思っていたか。 周囲を巻き込む程の力は、 悲劇を変えるコトができるかもしれない。 ゲルダはミザリーを消そうとしても、カイは止めた。 ギルティーが、ミザリーの願いを受けないはずもなく。 カイを滞らせようと、力を放つ。 けれど、ワタシの分身がカイとゲルダを守っている。 ギルティーは苦々しく、ワタシを睨んだ。 さぁ、ギルティー。 真実の愛を思い出しなさい。 これが『真実の愛』ってやつなのかな……? 俺はそんなことを、心のどこかで考えていた。
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