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悪魔の罪~ギルティー~
悪魔の罪の名を持つギルティー。
ワタシはギルティーが生まれた時の事を、今でもよく覚えている。
魔王は雪の女王である世界から旅立ち、逆の世界と呼ばれる場所に旅立ったのには、理由があった。魔王が犯したコトは、この世界では禁忌と呼ばれているコト。
先代の雪の女王が犯した罪は、魔王と人間の娘を許してしまい。
自分の受容を不幸(ミザリー)と名付け、ギルティーの不幸を止めようとしている。
影の力を持つモノが、真実の愛を知った。
その深い愛と、先代の雪の女王を護るため、自分の本心のみをカタチにし。
悪魔の罪、という名のギルティーを残す。
本来世界のバランスをとるために、雪の女王の一族と魔王は結ばれなくてはならなかった。
愚かな魔王は掟を破り、人間の娘と結ばれ。
人間の娘との悪魔の罪(ギルティー)をこの世界に残したまま、別世界に向かう。
ギルティーは母親の愛を、先代から色々聞いていたけれど。
時の流れは恐ろしいコトに影の一族であるギルティーは、自分が罪という部分だけを記憶に閉じ込め。
先代の雪の女王が恐れていた、思い込みによる不幸を招こうとしている。
いくつもの苦難を乗り越え、ゲルダはこのフリーズパレスにやってきた。
真実の愛を自らの手で、どんどん深め。
カイを元に戻すことなんて、とても容易にこなし。
ギルティーをさらに追い込んでしまう。
わたしは、ギルティーに問いかける。
あなたは忘れてしまっているだけ。
名前は罪かもしれない。
けれど魔王たちが去ることで、この世界は均衡が保たれていた。
それは、ギルティーを愛する親御心。先代の雪の女王は、人間と同じ位置に立ち。
罪(ギルティー)と不幸(ミザリー)に、アナタが望んだ世界を。
世界のはじまりと呼ばれる園の門を、ワタシとクラムボンで開き、護るコト。
もう、長い古き守護者はいらない。
ギルティー、真実の愛を思い出しなさい。
あなたは望まれて生まれている。ミザリーはあなたを求めた。
それが全て。
ワタシの声を聞いたギルティーは、もがき苦しんだ。
意識を失ってしまったけれど、ミザリーがギルティーに抱きつき。
熱くなりすぎた身体を、冷やしていった。
ギルティーは起き上がると、抱きついてきたミザリーを拒むことはなく。
お互いの愛を拒むことはないはず。
不幸(ミザリー)なお前をとびきりの幸せにしてやろう。
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