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フンッと鼻で笑ってみせる茜に、返す言葉が見つからず頬を膨らませる事しかできなかった。
「ほら、そこが子供なのよ」
膨らました美里の頬をツンツンッと指でつつく美里は、勝ち誇ったように笑う。
「その子供に勝ち誇ったように笑うなんて、茜もまだまだ子供ね」
痛いところを望美につかれ、茜はハッと我に返り、つついていた手を背に隠した。
おおー、さすが。
今の段階では、望美に勝てる者などまずいないだろうな、と美里は思った。
話を区切るように、望美はパンツと両手を叩いた。
「仕事にうつりましょ」
二人は背筋をピンッとはった。
なぜか望美に指示されると、たるんだ気持ちがシャキッとする。
聞き分けの良い二人を見て、満足げに頷く望美。
「今日の魂は病院。残り少ない命の人間には、私達の姿が見えてしまうけれど、そこは無視して進みましょう。助けるのは、一つの魂。いい?わかった?同情なんかして、勝手に体にはいったりするのは駄目よ」
心配そうに念を押す相手は美里だった。
自分だけに言われ、戸惑う。
「大丈夫。そんな事しないよ。ちゃんと二人と一緒に行動するから」
そう約束する美里だが、二人は顔を見合わせ心配そうだ。
「とにかく私の側から離れないでね」
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