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慌てて二人も望美の後をついて行く。
ドアを通り抜け、エレベーターに乗り込んだ。
「5階押して」
望美に言われ、茜は5のボタンを押した。
階が上がっていく数字を見つめる望美。
その横顔は、険しい。
「ねー、望姉………」
なぜ二人とも、そんなにピリピリしているのか事情を聞こうとした。
瞬間、エレベーターが3階で止まった。
開くと、懐中電灯を持った看護婦が乗り込んできた。
三人の姿が見えない看護婦は、鼻歌を歌いながら6階のボタンを押そうとした。
「あれ?なんで5階に止まる事になってるの?」
首をかしげる看護婦。
このエレベーターの中には自分しかいないはずと、確認のため辺りを見渡す。
やはり、エレベーターに乗っているのは自分だけ。
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