第二章 助ける者 食らう者

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5階に到着し、まだ怯えている看護婦を取り残してエレベーターからおりた。 「だいたい私達は………」と、目的の病室につくまで、望美の説教はつづいた。 病室の番号を探しながら説教する望美。 耳を押さえたくなるほどの説教は、502号室の前でようやく静まった。 壁に名札が一枚つけてある。 どうやら、個室のようだ。 美里は本日のターゲットとなる名前を覚えようとするが、なんせ6歳の頭なので漢字を読むことができない。 「これ、なんて読むの?」 二人に美里は聞く。 「禮〈らい〉って読むの。女の子のようね」 返答してくれたのは望美だった。 茜も読めなかったのか「へー」と声をもらす。 「禮ちゃんか」 覚えるため名前を声にだす。
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