第二章 助ける者 食らう者

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魂を呼び戻す為には本人の名前を覚えるのは、とても重要な事だ。 あの少女のように、生きたいと強く願わない者には名前と言うどうでも良い言葉など通用しない。 しかし、生きたいと強く願う者にはとても効果的だ。   三人は、ドアをすり抜けた。 酸素マスクをしている禮が、ベッドに寝ていた。 体には心拍数を計る管が取り付けられ、心臓のリズムに合わせて胸が上下に動いている。 その横では疲れ切った母親が、禮の手を握りしめ眠っていた。 背もたれのない椅子に座り眠っているせいで、何度か体制を崩し目を開けては、また睡魔に勝てずウトウトを繰り返している。 テレビの横には、コンビニで買ったと思われる食べかけの弁当があった。 食欲がないのだろうか。 ほとんど食べていない。
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