第二章 助ける者 食らう者

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酸素マスクをしている禮もやせ細っているが、母親のほうはもっとやつれている。 どんなに禮が愛されているのか、この状況を見ればよぐにわかった。 美里はこの光景に、自分と自分の母親を重ねてしまう。 胸が痛い。 私も昏睡状態になっていれば、きっとお母さんもあんな状態になっていたに違いない。 哀れみでもあるが、半分幸せな感情もある。 だって、こんなにやつれるほど自分の事を心配してくれるのだから。 禮と母親の光景に見入っている美里の肩に、望美は優しく触れた。 「さっ、仕事にとりかかりましょ」 「うん」 仕事に集中するため、頭を振り自分の中で作り上げた幻想を振り払った。 三人は手を繋ぎ目を閉じた。 体がスゥーと冷たい風に運ばれていく。 何とも心地よい。 あの子の時とは大違いだ。 まだ、昏睡状態なって間もないのだろう。 堅い壁にあたる事もない。
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