ストーカーはダメだよ

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「ん………?」 気づくと美咲先生は、保健室にいました。 あれからどれだけ時間が経ったのだろう?と時計を確認すると既に時刻はお昼休みを回っていました。 そうだ、授業!と美咲先生は慌てて起き上がろうとしましたが急に起き上がろうとしたせいか頭がクラクラとして再びベッドに倒れてしまいました。 校庭からは生徒たちが遊ぶ賑やかな声が聞こえます。 その声に幾分かホッとしていると、扉の開く音が聞こえ誰かが入ってきました。 「はい、保健室着いたよー」 「ありがとう、ゆきちゃん」 「保健委員だから!」 女子生徒、二人の声。 一人は、あまり聞き覚えのない声でしたがもう一人の方は聞き覚えのある声でした。 その、声の主とは藤森ゆき………美咲先生のクラスの生徒だからです。 「じゃあ、そこ座ってて湿布はるから」 「ねー、ゆきちゃん!何かコワイ話して!」 怪我をしたのだろうか? 美咲先生は立ち上がりたかったのですが、まだ身体にうまく力が入りません。 そうこうしているうちに女子生徒は、ゆきちゃんにコワイ話をおねだりし始めました。 ゆきちゃんのコワイ話好きは、先生も勿論知っています。 だけど今はあまり聞く気分になれなかったので先生は生徒に悪いが静かにしてもらおうと口を開きかけた時でした。 「じゃあ、幽霊のストーカーの話をしようか」 幽霊のストーカー? 思わず、美咲先生は声を出すのをやめてしまいました。 本当ならあまり聞きたくもない話題なのですが美咲先生は、胸元を握り締めてゆきちゃんの話に耳を傾けました。
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