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ゆきちゃんが話してくれた幽霊のストーカー話はこうでした。
・幽霊のストーカーは生前に関わりがあった、なかった関係なくその幽霊が気に入ったらストーカーを始める。
・幽霊のストーカーは、勿論霊感が強い人じゃない限り見えないから簡単に家の中に入ってこられてしまう。
・幽霊のストーカーは、時々わざと音を立ててストーカーしている相手を怖がらせる。
・本来なら飽きたらすぐにストーカー行為を止めるのだけれど、中にはしつこいタイプがいて気に入った相手をあの世に連れて行こうとする。
・その時は、手紙やらメールやらでお前を連れて行くと予告をする。
・そして、狙いを定めたらどんな手であろうと必ずあの世に連れて行こうとする。
怖いねーと騒ぐ女子生徒と笑うゆきちゃんでしたが、先生には心当たりが沢山ありました。
どれだけカメラを探しても見つからなかったのは
心当たりなくストーカーが始まったのは
振り返っても誰もいなかったのは
家の中にいないと分からないメールが届いたのは
さっき、私の手を掴んだのは
あの無数の目は
全て幽霊の仕業だったんだ。
そう思うと、恐怖と同時に美咲先生は納得しました。
しかし、このままでは自分は幽霊に連れて行かれてしまう………そんなことは絶対に嫌!何で見知らぬ相手に連れて行かれなきゃならないのよ!と美咲先生は見えない幽霊に怒りを覚えました。
「じゃあ、先に行くね!」
「うん、わかった」
ハッと、思考を戻すと女子生徒が保健室から出て行きました。
チャンスは今しかない………美咲先生はまだ重たい身体を起こしてカーテンを開けました。
「藤森さん、お話があるの」
美咲先生は最後の希望にかけようと目の前にいるゆきちゃんをしっかり見つめました。
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