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「本当にこれだけで大丈夫かしら?」
あのあと、美咲先生は保険医が戻ってきたのと同時に別の先生に自宅まで送ってもらいました。
家に帰りベッドに座る美咲先生、その手首には水晶玉の数珠が着いていました。
この数珠は、ゆきちゃんに借りたものです。
何でも幽霊を部屋に入れずに追い払う力があるそうですが、先生はあまり信じてはいませんでした。
(こんなのどこにでも売ってそうな安物じゃない)
正直、そんな感想を抱きましたが背に腹は変えられないと先生はゆきちゃんから数珠を借りました。
時刻はまだ、3時前。
明日、休みだし少し眠ろうかなと美咲先生がベッドに横になろうとすると………。
プルルルルルルル
突如電話の着信音が鳴り響き、美咲先生は飛び跳ねそうになりましたが何とか堪えて着信相手を見るとお母さんからの電話でした。
なんだ、お母さんからかとホッとしつつ声を聞いて安心したいのもあり美咲先生はその電話に出ました。
「もしもし、お母さん?」
「………………………」
電話に向かって話しかけた美咲先生でしたが、電話からは声は聞こえません。
おかしいと思いもう一度話しかける美咲先生、すると………。
『ネエ、ココアケテ』
「ひっ!?」
電話から聞こえたのはお母さんの声ではなく低い男の人の声でした。
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