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「嫌あああああああああ!!!!!!」
叫んだのと同時に、美咲先生は再び意識を失ってしまいました。
次に目が覚めたのは日付が変わった日の朝でした。
慌てて起き上がり電話を見るとお母さんからかかってきたはずの着信履歴はありませんでした。
あぁ、助かったんだ………!
美咲先生はホッとしたのと同時にポロポロと涙が出てきました。
助かった、助かったんだと安堵の涙がしばらく流れ続けました………。
「はい、皆!次の体育は校庭ですからね!」
「「「「はーい!!!!」」」」
あれから、美咲先生のストーカー被害はピタリと止まりました。
もう、あんな怖い目にあわなくてもすむんだと思うと美咲先生はより笑顔になりました。
「そうだわ、これ藤森さんに返さないと」
美咲先生は手首につけっぱなしの数珠を見て思い出しました。
いつまでも生徒に物を狩り続けるのはよくないことだからと美咲先生はそう思いながらも自分も校庭に移動するために急ぎ足で階段へと向かいました。
「あ、先生に数珠返してもらってなかったや」
「ねーゆきちゃん、ストーカー幽霊にあったら逃げられないの?」
「逃げ切れるよ、数珠つければいいんだけど普通にすんなり諦める幽霊だったら大丈夫なんだけどね
少しでも数珠を信じない心を持ったら数珠の力が弱くなっちゃうんだ
あともう一つ、あまりにも執着が強い幽霊には数珠が耐え切れなくなっちゃって、新しい数珠に替える前に割れたら………
今度こそ連れて行かれちゃうんだ」
階段前の大きな鏡の前に割れた水晶玉の数珠とホイッスルが一つ。
あらあら、美咲先生はどこに消えてしまったのでしょうかね?
答えはだーれも知りません………。
さあ、明日のコワイ話は何かな?
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