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そんなある日、今日も元気に学校へと登校した夏美ちゃんは、友達とお喋りをしながらふと何気なく教室を見ると、誰も座っていない席に気がつきました。
そこは最初に成り代わった紫乃ちゃんの席………。
そういえば最近、紫乃ちゃんの姿を見ていないなと思った夏美ちゃんは、友達に紫乃ちゃんの事を聞きました。
すると………。
「え、紫乃ちゃんって誰?」
「そんな子クラスにいた?」
何と誰も紫乃ちゃんの事を知らないと言うのです。
それどころか、理恵ちゃんの事も知らないと言われ、何と夏美ちゃんが成り代わった子の事を皆が知らないと言ったのです。
おかしい、と夏美ちゃんは思いました。
だって、私は覚えてるし席もあるのに………。
どうして誰も覚えていないの!?
怖くなった夏美ちゃんは、ゆきちゃんの所へと相談に行くことを決めました。
もしかしたらこの成り代わりガムは、何か恐ろしい物なのかもしれない………。
そんな不安を抱きながら2組の教室を覗くと、ゆきちゃんがいました。
そして、その隣には夏美ちゃんが密かに淡い恋心を抱いている健君もいたのです。
ゆきちゃんと健君は何やら楽しそうに話していて、夏美ちゃんがそれを見ていると近くで、別のクラスメイトが健君とゆきちゃんについての話をしていました。
「健君とゆきちゃん仲いいよね」
「健君コワイ話が大好きだからさ、いつもゆきちゃんのコワイ話聞いてるんだよね」
「ゆきちゃんコワイ話得意だし、本当に面白いもんね」
「ゆきちゃんは健君のお気に入りだもんねー」
その言葉に、夏美ちゃんは教室を出るとトイレへと向かい、一番奥の個室の扉を閉めてガムとペンを取り出しました。
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