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「バツ!あれは、加奈子から貰ったものだから盗ったんじゃないもんね!」
そう答えると、ドラムロールの音と共に画面の中でマルとバツが交互に点滅し始めました。
そして、ドラムロールの音が鳴り止み効果音と共に出された答えは………。
『バツー!加奈子ちゃん、無理矢理盗られてすーっごく怒ってたみたいだね!っていうことで、バツゲームとして板が一枚なくなりまーす!』
ガコン!と大きな音を立てて、自分が立っている場所の隣にあった正方形の板がなくなり智子ちゃんは思わず仰け反ってしまいました。
恐る恐る手を伸ばすと、板がなくなった場所はスカスカと空を切って、覗き込めば真っ暗闇が広がっています。
「ちょっと!?どういうこと!?ここから出してよ!?私は嘘なんてついてない!」
『全問答えるまでここからは出られないよー!あ、それと間違って穴に落ちたらゲームオーバーだから気をつけてね!
そ・れ・と!この問題は、加奈子ちゃんの感情と記憶に合わせて作ってるから親友なら分かるはずだよ!』
加奈子の感情と記憶………。
固まる智子ちゃんをよそに、画面の中ではハート君が意気揚々と次の問題を読み上げました。
『問題!加奈子ちゃんも健君が好きなのに、自分を応援して欲しいからって、加奈子ちゃんが別の男子を好きだって嘘を広めて、加奈子ちゃんをその男子をくっつけようとしことがある。マルバツどっちー?』
この質問にも、智子ちゃんは覚えがありました。
実は前々から薄々と加奈子ちゃんが健君が好きなのでは?と気づいていたのです。
性格も大人しくて見た目も可愛い加奈子ちゃん。
もし、加奈子ちゃんが健君に告白したら二人はカップルになってしまうのではないかと自分も健君を好きな智子ちゃんは、クラス中の皆に、加奈子ちゃんば別クラスの男子が好きだと嘘をついて噂を広めました。
さらには、他の子達も焚きつけて加奈子ちゃんを無理矢理その男子に告白させようとしたのです。
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