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放課後、紗英ちゃんは再び学校近くの小さな公園へとやってきました。
すると、再び菜穂ちゃんが滑り台の先に座っているスケッチ少年の前に立って、少年に話しかけていたのです。
「今度は横井恵梨香と桜野蛍と筒井美香をお願いね」
この三人の名前を聞き覚えがあります。
何故ならこの三人は、積極的にイジメに参加して菜穂ちゃんのランドセルや物を隠したり壊したりしていたからです。
スケッチ少年は再び無言で頷くと、鉛筆を動かしてからサラサラとスケッチブックに絵を描いて菜穂ちゃんに見せました。
絵を見た菜穂ちゃんは満足したのか公園を出ていき、紗英ちゃんは菜穂ちゃんが出て行ったのを確認してから、再びスケッチ少年に近づいて絵を見せてもらうよう頼みました。
今度の絵は上半身と下半身が真っ二つになった三人が描かれていて、紗英ちゃんは、その絵のリアルさに思わず吐き気を覚えるほどで、三人の表情はやはり苦悶の表情を浮かべていました。
その次の日、恵梨香ちゃん蛍ちゃん美香ちゃんの三人が亡くなったと聞かされました。
三人は何故か遮断機が降りた線路内に侵入して、そのまま電車に跳ねられたそうです。
その体は上半身と下半身が真っ二つに分かれて、やはり苦悶の表情を浮かべていたそうです。
それからというもの、ほぼ毎日のように紗英ちゃんが3年生の時に同じクラスだった子達が一人また一人と亡くなっていきました………。
死因はバラバラですが、どの死体も苦悶の表情を浮かべていて、いつのまにか紗英ちゃんは呪われたクラスの子だと言われ、誰も近寄らなくなってしまいました。
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