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4年生の大輔君は、学年一のイジメっ子として有名です。
身体が他の子より一回り大きくて力が強いのもあってか、大輔君は自分より弱い子をいつも狙っていました。
例えば、クラスメイトの筆箱を壊したり、給食のデザートを無理矢理奪ったり、持ってきた本を無理矢理取ったり、プロレスだと称して泣かせるまで力を込めたりと被害にあった子の数は数えきれず、先生や同級生達が何回も注意したりしましたが、全く聞く耳を持ってくれないため、大輔君はいつもやりたい放題でした。
今日も、大輔君は誰かいい標的がいないかなーと探していると、目の前からゆきちゃんが歩いてきました。
その手には、いつも持っている黄色い花柄のノートが握られています。
4年生の間ではゆきちゃんの怪談ノートは有名で、いつも大事にしている事は大輔君も知っています。
大輔君は、ある考えを思いついてニヤリと笑みを浮かべると、ズカズカとゆきちゃんに近づいてこう言いました。
「なあ、そのノート俺に貸せよ」
大輔君がそう言うと、ゆきちゃんは少し嫌そうな顔をして腕にしっかりとノートを抱き抱えてこう言いました。
「やだ、だって大輔君絶対ノートボロボロにするじゃない!
それにこのノートには、見てはいけない話が書いてあるから誰にも見せたらダメなの」
そう言って、ゆきちゃんは大輔君の横を通り過ぎようとしましたが、大輔君はゆきちゃんが通り過ぎようとした瞬間、その腕を無理矢理引っ張ってノートを取ろうとしたのです。
「いいから貸せって言ってんだろ!」
「やだ!痛い!やめてよ!」
必死に抵抗するゆきちゃん。
しかし、力が強い大輔君に力負けしてしまい無理矢理ノートを取られた挙句、突き飛ばされてしまいました。
地面に突き飛ばされてうずくまるゆきちゃんを見て、大輔君はバーカ!とからかうと、そのままノートを持って去ってしまいました。
意気揚々と立ち去る後ろ姿を、ゆきちゃんが冷たい目で見ていたことも知らずに………。
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