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大輔君は、ゆきちゃんのノートを奪うとそのまま学校をサボって家へと帰ってきました。
お父さんとお母さんは仕事でおらず、大輔君は冷蔵庫からジュースとお菓子を取り出してから早速ゆきちゃんのノートを開きました。
ノートには、ゆきちゃんの字で丁寧に様々なコワイ話やその対処法が書かれていました。
例えば、花子さんやさとる君が出たときの対処法や、ファンデーションの噂、それから4年4組の話に金魚売りのおじさんなど、様々なコワイ話が沢山書かれていました。
大輔君は、お菓子を食べながら書かれた話を読み進めていくと、最後のページのほうで読んではいけないと大きく書かれたページがあり、そこは何故かノートの端がノリでくっつけられていました。
「なんだよコレ?」
くっつけられたページを光に透かすと、文字のような物が見えます。
読むなと言われたり、読めないようにされていると読みたくなるのが人の性………。
大輔君はカッターを取り出してから、ページの端を切り取ってしまいました。
切り取られたことで少々歪になってしまいましたが、大輔君は満足した様子でカッターを置くと、閉じられていたページにはある話が書かれていました。
それは、知ってはいけないコワイ話を知ってしまった男の子が、怪異に襲われるというお話………。
大輔君は、最初はジュースを飲みながら目を通しましたが、読み進めていくうちにある違和感を感じ始めました。
それは、話に出てくる男の子が自分と同じに思えてきたのです。
体格、言動、それから学年に名前まで一緒で、最初こそ偶然があるものだと思っていたのですが、その男の子がある女の子のノートを奪って家で、ジュースとお菓子を飲み食いしながらノートに書かれた怪談を読んでいること、そして読んではいけないと糊付けされたページを切って、話を読んでいるところまで大輔君の行動ソックリに書かれていたのです。
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