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大輔君は、気持ち悪いと思いながらも目がノートから離せませんでした。
ノートに書かれている男の子も同じで、ノートから目が離せず、勝手に目がノートに書かれている文字を追っていると書かれています。
ノートに出てくる男の子は、背中に視線を感じました。
じっとりと自分を見つめてくる視線………。
それも、一つや二つではなく大量に向けられているのです。
そして大輔君も同じように、背中に視線を感じました。
同じようにじっとりと自分を見つめてくる視線………。
そして、同じように一つや二つではなく大量に大輔君へと向けられていました。
(コワイコワイコワイコワイコワイコワイ!)
大輔君は、生まれて初めて恐怖を感じました。
今までいばりんぼうで怖いもの知らずの大輔君が初めて感じた恐怖………。
しかし、家には誰もおらず誰も助けてくれる人がいないのです。
ノートに書かれている男の子も同じで、生まれて初めて味わう恐怖に震えながらも恐る恐る首を後ろに向けました………。
そして、大輔君も同じように視線を後ろに向けた瞬間………ノートを落としてしまいました。
焼けただれた肌の子供に、無表情で大きなスケッチブックを持っている男の子、それから身体が半分蛇になっている女の子に、大量の蜘蛛と見たことのない虫、それから人面犬や口裂け女に、鮫や大きな鬼など………。
沢山の幽霊や妖怪が大輔君を見つめていたのです
大輔君は、そこで初めて気づきました。
全部、ゆきちゃんのノートに書かれた怪談だと………。
大輔君は、必死に逃げようとしましたが身体が思うように言う事を聞いてくれないのです。
一歩、一歩ゆっくりと近づく怪談達………。
必死に逃げる大輔君の努力も虚しく、一斉に手を伸ばす怪談達にあっという間に大輔君は飲み込まれてしまったのでした………。
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