ゆうちゃんのキーホルダー

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「悲しいお知らせがあります……… クラスの仲間の柏木恵里菜さんが急遽転校をすることになりました」 転校!? クラスの皆は勿論、ゆうちゃんも驚きました。 何で?と先生に質問しても先生はただ家庭の都合でとしか言いませんでした。 恵里菜ちゃんが転校したのは少し淋しい気もするけどそれ以上にクマのキーホルダーが帰ってきてゆうちゃんはとても喜びました。 放課後、家に帰る途中で恵里菜ちゃんの家の近くに行くと家の前に大きなトラックが止まっており次々と荷物が運び出されていました。 そして、運び出されている荷物を無表情で見つめている恵里菜ちゃんがいました。 近所のおばさん達は恵里菜ちゃんの家を見て何やらヒソヒソお話をしていました。 「可哀想にねぇ………」 「まだお子さんも小さいのに………」 何を話しているんだろう? ゆうちゃんは、そっとおばさん達に近づいて聞き耳をたてました。 「柏木さんのご主人、不倫してたんですって!」 「しかも奥さんのほうも不倫してたんでしょ!子供もいるのによくやるわよね」 「恵里菜ちゃん、どっちも引き取らないみたいで奥さんの実家に預けられるみたいよ」 「でも怖いわよねぇ、前から仲がいい家族だって思ってたのに………」 『泥棒をする人はもっと大事なものをなくす』 おばあちゃんが話してくれたお話のように恵里菜ちゃんは、ゆうちゃんのキーホルダーを盗った代わりにもっと大切な物をなくしてしまったのでしょうか? クマのキーホルダーが、一瞬だけコワイ笑い方をしたように見えましたとさ………。
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