第1章

8/8

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
卒業式で号泣した理由だって、常に後ろからくる恐ろしい空気から解放される反動だ。 インドア派になったのも、一人だけという空間にすごく安心感を覚えたから。 大人になって得られたものが、今目の前にいる人物によって壊されようとしていた。 「相変わらず、背が高いけど顔はかわいいわね」 するりと、頬を撫でた相手の手に、僕は目を見開き声にならない悲鳴をあげる。 「これから、よろしくね」 にっこり笑う彼に、僕は日常が崩れる音が聞こえた気がした。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加