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「えっ?男は僕だけ?」
「女は優香里だけだしユニセクシャルは僕だけだから丁度良いじゃん」
「でも、どっちかというと瑠奈は女性の様に思えるし」
「えー。ハル君は瑠奈の事、そういう風に意識してたんだ。瑠奈は女の子っぽい名前のわりにこんなのだから、名前負けしてるてよく言われるのに意外だね」
優香里がそう言って二人を冷やかしたのだが、瑠奈は優香里の予想外の反応を見せた。
「僕ちょっと嬉しいかも」
瑠奈はそっぽを向いて呟くように言う。
「いい加減からかうのはやめてよ」
ハルがそう言い返す一方で、優香里は横目で、顔を背けた瑠奈が耳まで真っ赤にしているのに気が付いた。なんだかんだ言っても実際の所、自分の恋愛に関しては奥手の瑠奈にしては今のが精一杯のアピールだったのかもしれない。
しかし相手が天然ショタのハル君じゃ通じないだろうなと優香里は思った。ここは私が二人を後押ししてあげなきゃならないなと、優香里の中に勝手な義務感にも似た感情が芽生えた。
「ようし今夜は皆で遊ぼう。クラブとか行って踊ったりプールバーとかダーツバーとか回った後、夜景みてカクテルバーで飲もう。そんでカラオケして深夜にジンギスカン食べる!」
そう言って立ち上がった優香里は、ハルが持っていた箸と瑠奈が持っていたレンゲを取り上げた。
食べかけの学食をそのまま返して、優香里は二人を追い立てる様に急かして、三人は学校の外へとくり出した。
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