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「だって僕、今月は古い魔道書買ったりして出費がかさんで金欠だし、ハルだってバイト料入るの来週だって言うし。第一優香里だって、今日はそんなに持ち合わせ無かったんでしょう?」
「まぁ、そりゃそうなんだけれど。その辺はさぁ。バーで男を引っかけて向こうにおごって貰えば良いんだよ」
「優香里って、いつもそんなことしてるの?」
ハルが驚いた様にそう聞いてくるので優香里は慌て言葉を続けた。
「いや私は、未だそんな事した事は無いんだけれど、バーでおごられるって何か格好が良い気がしない?」
「まぁ格好が良いかどうえかはおいておいても、大人って言う感じはするよね」
「でしょう。でしょう。一度はされて見たいよね」
「でも優香里はそう言う所で男の人に声をかけたり出来るの?」
「その点は大丈夫。可愛い子が三人もそろっているんだから。これだけの戦力があれば黙ってても向こうから絶対寄ってくるって」
「えっ、その戦力って僕も入ってるの?」
「当たり前でしょう。ハル君はショタを活かして、OL系のお姉さんからBL系のお兄さんまで総なめにしなよ」
「優香里。かなり酔っ払ってるよね?」
「酔ってなんかないですぅ。酔ったように見せているだけですぅ」
「うぁ、なんか腹立つ言い方だなぁ」
「だいたいねハル君」
「はっはい?」
「君はさっき瑠奈にも言われてたけれど、無自覚過ぎるのよ。私は瑠奈が不憫で不憫で」
「ゆっ優香里、なにを言い出すんだよ!」
酔っ払った優香里は絡み酒になっていた。二人がクダをまく優香里を適当に相手をしているとハルの携帯が鳴った。優香里はお構いなしに一方的にクダをまき続ける。
「瑠奈。あんたもね。奥手だから奥ゆかしいってもんじゃないのよ。判ってても向こうから動いてくれない相手には、自分からキスの一つでもする位でなきゃね。でないと発展しない場合もあるのよ。ねぇハル君。あれれハル君は?」
「さっき携帯が鳴ったんで、玄関先で受けてるよ」
「ああ、ここワンルームだもんね。キッチンの向こうはすぐに玄関のドアだぁ。一人暮らしはコンパクトで良いわね」
「狭くて悪かったよ」
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