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「お前、覚悟してろよ…。二度とそんなこと言えなくしてやるから」
「なっ…」
…顎クイをされてしまった。なのに…全然ときめかない…。現実だとこんなもんなのかな?黒谷ファンには悪いけど、ときめくどころか不快だ…。
「…手、離してよ」
「今、ときめいたろ?お前?」
この勘違いナルシストが…。
「…相手が不快になってるのもわかんないのに弄ぶことなんて出来んの?」
「…っ!こいつ…!」
黒谷の顔が一層近づく。不快感が一気に増してく。勘弁してよー!
「黒谷、この辺でやめとけ。」
爽やかくんが察してくれたのか仲裁に入ってくれた。ありがたい…。やっと解放された。
「もう、暗くなり始めたしね。黒ちゃん帰るよー」
確かに、掃除の時間はとうに終わっている。教室にいる生徒は私達だけだ。…まぁ、入ってこれないよね…。
「宮田さんて歩きで帰るの?」
「そうだよ」
「へぇ。近いんだ?」
「30分くらいかな」
「結構歩くねー。みんなで宮田さん送って帰ろうか!ね、黒ちゃん?」
「…そうだな」
「え!いや、いいよ!大丈夫!」
ついさっきあんなことあったのに一緒に帰るとか無理でしょ!
「…遠慮すんな。ちゃんと家まで送ってく」
いやいや、どういう神経してんの?この男!さっきまで喧嘩してたんだよ!?遠慮するに決まってんじゃん!
「それに、俺たちの自己紹介もまだだし。ね?」
確かに私はこの人たちのこと知らない。クラスも違うし、ましてや学年でも300人強いるから覚えられないし。黒谷は有名だから知ってるけど、他の人は黒谷と一緒にいるってイメージだけで名前すらわかんないし。でもなんで小悪魔くんは私の名前知ってるんだろう。気になる…いや!でも黒谷と一緒に帰るとかむr…。
「ね?いいでしょ?」
うっ…可愛い顔してるんだよね、小悪魔くん。そんな顔でお願いされたら嫌と言えないよ…。
「…はい。」
「よかったー!俺、宮田さんと仲良くなりたかったんだよね。」
くっそ可愛いな!なんだその笑顔!
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