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『帰ろう』
その言葉に、彼女は最後まで頷くことはなかった――
「……っん」
「江茉。まだ寒い?」
密室に響く水の音。
さっきまで耳にしていた雨音とは違う水音。
「だめ。声、でるっ」
「大丈夫だよ。竹さんには帰ってもらったし。今日は誰も戻らないから」
俺の首に腕を回してしがみつき、必死で甘い声を抑える江茉。
その身体を伝うシャワーの雫を舐めあげ、深く口づけた。
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