第15話
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「……」 『江茉』と呼びかけたい衝動を抑え、下ろされた艶やかなまつ毛に口づけた。 ピク……っと微かに震えるまぶた。 柔らかな頬を包み、親指でそっと撫でる。 「……して」 「ん?」 夢うつつといったところか。 ほんの少しだけ目を開けた江茉は、ぼんやりと俺を見つめ、掠れた声で問いかけた。 「どうして来たの?」 抱いた女を、これほどまでに愛しいと思ったことはない。
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