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「景くん」
「ん?」
「いいのかな」
「ん」
「私、ここにいても、いいのかな」
「うん。いて。いてくれないと俺が困る」
そうやって、続けたキスの合間に交わした会話。
「もう、江茉をどこにもやらない。誰にもやらない」
夢の中での出来事だと思ってくれても構わない。
頭のどこか片隅に、曖昧な記憶として置いていてくれるだけで充分。
長い長いキスの後、目を閉じ、穏やかな寝息をたてる江茉の額にそっとキスを落とした。
「おやすみ。大好きだよ」
子供の頃、眠りにつく江茉に伝えた言葉と一緒に――
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