第15話

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「もしもし。竹さんから連絡いった?」 江茉をひとりベッドに寝かせ、一階に降りると、キッチンにある冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、グラスに注ぐ。 『はい。ご無事で何よりです』 「そうだね。でも、ここだけの話。父さん達がいなくて助かったよ。江茉に余計な気を使わせなくて済んだ」 携帯から聞こえる堅苦しい声は、昼間に会った彼とはまるで別人。 『乾課長』の片鱗もない。 『また無理をさせたのでは?』 「人聞きの悪いこと言うね」 『彼女のこととなると見境がなくなるので』 「そこは自覚してるよ」 『なら、もう少し器用にやって下さい。大切にしたいのなら尚更』 グラスを口につける寸前、耳元で言われた厳しい言葉に思わず苦笑い。
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