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「……っ」
俺の言葉を受け入れない江茉は、首を横に振り、頬にある手を引き剥がそうとした。
「できないっていうなら、俺も一緒に償う」
落ちる涙を唇で掬い、濡れたまつ毛に口づける。
「共犯だから」
横に大きく首を振る江茉。
「あの日、約束を知っていながら江茉を早く帰さなかったのは、少しでも長く一緒にいたかったから」
江茉が俺の手をギュッと握る。
そのあまりの強さに、俺の皮膚に彼女の爪が食い込んだ。
「多分、江茉よりも俺の方がもっと罪深いよ」
横に振り続ける彼女の顔を両手で掴み、グイッと引き寄せて俺だけしか見えないようにした。
「俺はね」
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